“九岡 望” の検索結果 | 今日もだらだら、読書日記。

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地獄に祈れ。天に堕ちろ。

 
東西

冥界の荒事屋とイカれた聖職者のアクションエンタメ! イカしたDJが今回のお話を大紹介ダ! ミソギ、死者。嫌いなものは聖職者。犯罪亡者をぶっ飛ばし、地獄の閻魔に引き渡す荒事屋にして……シスコン(妹)! アッシュ、聖職者。嫌いなものは死者。聖なる銃をぶっ放し、死者を殺しまくる某機関の最終兵器にして……シスコン(姉)!! こんなチョイとオカしな二人が、何の因果か亡者の街『東凶』で、「魂」に効くヤバーいおくすりを大捜索! 聖職者嫌いの死者と死者嫌いの神父が!? ハッ、まったく上手くいく気がしてこないね! しっかーし! 困ったことにこいつら実力は折り紙付き。おいおい頼むから『東凶』を壊滅させちまったりすんなよ!? 電撃小説大賞《大賞》受賞作家・九岡望が贈る、ダークヒーロー・アクション!

生き残った妹の為に閻魔の使いとして蘇り、亡者でありながら亡者を狩るミソギ。死んだ姉の存在に心を囚われたまま、死んだように生きる亡者狩りの聖職者・アッシュ。亡者の街『東凶』を舞台に正反対のふたりが街を揺るがす陰謀を追う物語。

シスコン亡者×シスコン聖職者が繰り広げるバディアクション

初対面では普通に殺し合うし、協力することになってからも剣呑な会話ばかりのミソギとアッシュ。立場的にも性格的にも相容れないはずの彼らが利害の一致をもってひとときのバディになる……とかもう好きに決まってるんですけど!?

何かと交わされる剣呑な掛け合いと、中二心をくすぐられるスタイリッシュな言語センスにニヤニヤしてしまうし、仲が悪いのに妙に息が合っている二人のやりとりに更にニヤニヤしてしまうし、正反対の二人が胸のうちには全く同じ「家族を守りたい(守りたかった)」という出発点を秘めているということにもニヤニヤしてしまう。そしてオタクは好きなことになると語彙力をうしなってしまう。

亡者の街を生き生きと駆け巡る、人間達が印象的

男同士のバディもの大好きオタクとしてはどうしてもミソギとアッシュの関係ばかり強調してしまうのですけど、彼らの周囲のキャラクターたちも最高に魅力的でした。特に、アッシュの仮初の姉として任務についた聖職者の少女・フィリスの葛藤と、そんな彼女がアッシュの姉ではなく「フィリス」としてアッシュに向き合っていく姿が印象的。

姉の死を受け入れることが出来ず、仮初の『姉』の存在を与えられることで組織の尖兵として制御されていたアッシュが、ミソギをはじめとした東凶のひとたちやフィリスの姿に感化され、姉の死を受け入れて前に進もうとする姿がアツかったです。

自らが死ぬことも計算づくでとにかく『面白い』ことがしたい酔花、世界を滅ぼしてでも金儲けがしたい敵組織の頂点・真淵……と、いろいろな意味で頭のネジの外れた生者達の大暴れも楽しかった。というか、周囲の被害もお構いなしの手加減なしのエゴのぶつけ合いなんて、楽しくないわけがないよね。

怒涛の如く展開される戦闘シーンに圧倒される

作者さんの作品を読むのはこれが初めてだったのですが、文章を擬音を単語を弾丸のように矢継ぎ早に撃ち出していくクライマックスの戦闘シーンがとにかく印象的で、圧倒されました。文章でありながら、密度の高い大ゴマが連続する少年漫画を読んでいるような感覚。主人公二人が並び立つ挿絵も相まって、めちゃくちゃ迫力ありました!

あとがきで「B級2時間映画みたいな火薬特盛バディアクション」と言われていたけどまさにそんな感じで真面目なことやりながらも最後はひたすら火薬と勢いで押していく感じが爽快で楽しかったです。

唯一、電子書籍で読んでいるとアッシュが救済兵装(ガトリングガン)を撃ち出すシーンが文字なのに挿絵扱いになっていて、フォントや背景色の設定を変えて読んでるせいでちょっと気分削がれてしまったのですが、こればかりは仕方ないのか。図表を使ってるページとか、特殊な文字配列するSFなんかは既存の電書システムだと文字データに出来ないみたいなのよく見るので仕方ないんですが…続編が出た時は紙で読もう……。


このラノベの男男間の巨大/複雑感情が好きだ2022決定盤

タイトル通りの記事です。

このラノベの男同士のクソデカ感情いいよね!!というタイトルを独断と偏見で25タイトル紹介します。長年まとめ記事作るよ作るよって言い続けて気がついたら10年経ってたよ……関連記事の方に昔の同系統のまとめをリンクしておりますので良かったら併せてどうぞ。一応関係性で「親友・相棒」「ライバル・共闘」「因縁・敵対」の3つに分けてます。

関係性のみに焦点を絞っているので内容があまり女子読者向けじゃないものや未完のまま数年止まっているものも含まれます。予めご注意ください。

親友・相棒

楽山 「俺の召喚獣、死んでる」→感想
「友人を馬鹿にされて、僕が笑って許すようにみえるのか?」
苦学生でありとある事情から自分の召喚獣の正体を隠して戦わざるをえない主人公フェイルとそのチームメイトであり名家の子息でもあり一番の理解者でもあるシリル。フェイルが巻き起こす常識外の行動にダメ出しやお説教をしたりする反面その実力を誰よりも信頼していて、他人がフェイルを理不尽な理由でバカにするのは許せないシリルの姿にニヤニヤしてしまいました。
有象 利路「サキュバスとニート」→感想
「和友とオレの間に割り込むのは姐さんといえどもマジでキレますよ」
引きこもりの主人公・和友と彼の高校時代の親友でありコンビニ店長の琥太朗。高校時代の女房役(野球的な意味で)でもあった彼がとある事件によって夢を失って絶望した和友のことを影に日向に心配しつつ、本人の居ない所で彼に対して強い執着を見せる姿が大変良かったです。
大樹 連司「ボンクラーズ、ドントクライ」→感想
そんな彼を裏切る算段を僕は立てている。たかが、桐香なんて存在のために。
男二人だけの映画研究会にやってきた新入部員。友達同士の気軽なだけの部活動はその日から姿を変えていく。新入部員・桐香に恋心を抱いてしまった主人公の肇が彼女に振り向いてもらえないことに絶望し、その一方で親友・藤岡との楽しいだけだった関係性を「恋心」なんてものによって壊されてしまうことを恐れる、という葛藤が印象的でした。
壱月龍一「ラ・のべつまくなし」→感想
「……あいつが書いて、オレが編集やって……なんて。まあ、俺らの夢っつーかなんつーか、はは、超青臭いっすけど」
純文学からライトノベル作家に転向した主人公の矢文学と、彼の学生時代からの親友で編集者志望の北見圭介。ふたりの夢は、コンビを組んで最高の作品を送り出すこと。腐女子のヒロインがうっかり誤解しちゃうくらい仲の良い男二人の、熱い友情が美味しかったです!(あとブンガクくんの作風絶対わたしの好みだから現実に降臨してほしい〜〜)
井上 堅二「Lady!? Steady,GO!!」→感想
「お前にできないことは俺がやる。俺に出来ないことはお前がやる」「そうしたら、俺たちにできないことは何もないだろう?」
名家の分家に生まれて下男のような扱いを受ける圭と、本家の長男でありながら「出来損ない」と見捨てられた燐之介。完璧な人間でありながら大きな欠落を抱える燐之介と平凡だがその欠落を補って支えることが出来る圭という2人の関係性がとても良かったです。最大の問題は2巻が出なかったことだけど2人の関係性としては1巻で綺麗にまとまってるので……。
瘤久保 慎司「錆喰いビスコ」→感想
「俺が矢で、お前が弓だ。俺たちは弓矢だ!そういう、二人だった!」
お尋ね者の賞金首・赤星ビスコと心優しき町医者・猫柳ミロ。一見正反対のふたりが同じ目的のためにコンビを組んで旅を始め、やがてかけがえのない相棒となっていく。相棒ならではのお互いに気を使わない関係と、深い「愛」によって結ばれた関係性が良かった。アニメは原作1巻分だけなので、2巻以降も読んでほしい。
羊 太郎「ロクでなし魔術講師と禁忌教典」→感想
「……行こうか。頼りにしてるぜ、相棒」「抜かせ、誰が相棒だ。寝言は寝て言え」
かつて特務分室で汚れ仕事や裏仕事を行っていたグレンと、特務分室時代の相棒であったアルベルト。現在は別々の組織に身を置く彼らですが、それでも手を組めば最強という構図が最高。グレンの甘い理想とは相容れないと思う反面、かつての自分が切り捨てた理想を背負い続けるグレンに期待せずにいられない姿がよかったです。
鏡 貴也「伝説の勇者の伝説」→感想
「……引き戻すぞ。おまえがどこにいても、引き戻す」
『複写眼』という異能を持ち子供の頃から過酷な環境で生きてきたライナと、後ろ盾のない母から生まれて兄王達に命を狙われ続けてきたシオン。生まれも育ちも違うふたりは、やがて「悪魔」と「勇者」という世界の行く末を握る運命に翻弄されていく。仲の良い親友であるふたりが運命に引き裂かれながらも手を伸ばさずにはいられない姿が印象的でした。本編のシリアスな彼らも、短編でのコミカルな掛け合いも良。
井上 堅二「バカとテストと召喚獣」→感想
「確かに点数は低いが、秀吉やムッツリーニのように、お前にも秀でている部分がある。だから俺はお前を信頼している」
学園でも有名なバカの主人公・明久と、問題児ばかりのFクラスをあの手この手でまとめ上げる雄二。考え方も得意分野も正反対で普段は喧嘩してばかりの悪友ふたりが共通の目的のためとなれば最高のコンビネーションを発揮するのがたまりません。相手が落ち込んでいれば何も言わずに背中をぶん殴るような言葉で言わなくても通じ合う関係性が最高。

ライバル・共闘

紫 大悟「魔王2099」→感想
「君は……まだ僕を勇者と呼んでくれるんだな……」
魔術と科学が融合した近未来都市新宿で500年ぶりに目覚めた不老不死の魔王ベルトールと、望まぬ形で人としての枠を超えた不老の勇者グラム。すでに時代から忘れら去られたグラムの「勇者」としての役割を、宿敵であったはずの「魔王」ベルトールこそが求めるという関係性が良かった。あくまで不倶戴天の敵同士である彼らの一時共闘が美味しい!
九岡 望「地獄に祈れ。天に堕ちろ。」→感想
「……共同戦線だ。あーあ」「手ぇ組むぞ、畜生が!」
生き残った妹のために死者を狩る聖職者嫌いの死者ミソギと、死んだ姉に心を囚われたまま死んだように死者を狩る死者嫌いの聖職者アッシュ。絶対に相容れないふたりが亡者の街・東凶を舞台に共同戦線を張るというお話。何もかも相容れないふたりが自分の想いを貫くためにある時はぶつかり合い、ある時は共闘する展開が良かった!
望公太「最強喰いのダークヒーロー」→感想
ルイ=ミシェル・ヴィレット。(中略)いかなる者にも最悪の蔑称を授ける阿木双士郎をして、『王子』と呼ぶ他なかった男である。
ソードウォウ最弱の選手でありながら、強敵も味方も手のひらの上で転がす奇策な作戦で勝ち続ける双士郎と、そんな双士郎に救われて以来、その奇策を全部良い方に解釈して持ち上げていくルイ(強くて善人)という関係性がコミカルで良かった。双士郎が、ルイだけ微妙に転がしきれてない感じが楽しいんですよねえこれ…。
渡航(Speakeasy)「クオリディア・コード」→感想
昔も今もこの先も、きっと違う方向を向いて、違う道を選ぶのだろう。それでも、今は確かに、並び立っていた。
異形によって脅かされている世界を守るため、そして大切な少女達を守るために戦うふたり。性格も考えも正反対で本来ならば手を取り合うこともなかったであろう壱弥と霞が、自分にない部分に憧れ、誰よりも強く信頼し合っているという関係性が良かった。ノベライズ版はアニメと内容ほぼ同じなのですが、特に3巻の壱弥・霞の心象描写がとても濃厚で良いので副読本としても是非!(過去話も良いです)
師走 トオル「ファイフステル・サーガ」→感想
今でこそカレルは王家の味方だが、数十年後に余計な野心を抱かないという保証はどこにもないのだ。
来るべき魔王の襲来に立ち向かおうとする英雄達が時に手を組み、時には対立しながら人間たちをまとめようとしていく物語。アレンヘムの傭兵団の若き団長・カレルとフーデルス王国の摂政・ヴェッセルの関係が良かった!序盤から手を組んでいる彼らなのですが、それぞれお互いの国の思惑の下で動いていて、完全な味方ではないんですよね。稀に覗かせる剣呑な雰囲気がとても良かったです。
柳実 冬貴「Re:バカは世界を救えるか?」→感想
その闇の中で、心路は──(略)現実世界で唯一負の感情を抱くことのできる、好敵手の声をはっきりと聞いた。
他者の異能の「劣化コピー」を作る異能を持つ主人公・佐藤光一と、他人の異能を完全にコピーできる秋雨心路。最初は相容れない敵同士だった彼らが、少しずつ「好敵手」へと変化していく課程がたまらない。能力の代償として感情が薄れていく心路の心を唯一揺さぶることが出来るのが光一というのがまた。
賀東 招二「甘城ブリリアントパーク」→感想
(『汚いことをしなければならない』か。ならば、それをするのはぼくだよ)
ポンコツ遊園地の支配人代行となった主人公・可児江西也と遊園地のキャスト代表を務めるマスコット・モッフル。犬猿の仲だが遊園地の未来を誰よりも真剣に考えている彼らの目的が一致するがゆえの共闘が大変美味しいのですが、特に原作1巻終盤に起こったとある事件をきっかけにしたある種の「共犯関係」が、とても良かった。アニメ版とは全く違う展開ですが、どちらも良いので両方見てほしい。
渡航「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」→感想
俺はもうとっくに気づいている。葉山隼人が、けしてただの善人ではないことを。
渡航が描く「お互いに相容れないからこそ誰よりも深く理解し合う」男男間複雑感情が大好きなので、例によって葉山隼人と比企谷八幡の関係性も大好きです。普段は優等生の仮面を被っている葉山隼人がそんな表の顔が通用しない比企谷八幡にだけは時折素顔で接しているのがたまらない。
田尾 典丈「ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!」→感想
「これから何があっても、みんなを愛し続けてほしい。それが、俺の望みだ。任せたぜ、初めての、親友」
とあるギャルゲーのヒロインたちが現実世界に投影され、彼女達が抱える問題をゲームの1ファンである都築武紀が解決する物語。クリア後のハーレム展開を謳歌していた武紀が明確に「全員を幸せにする現実のハーレムエンド」を目指して行動し始めるのが4巻のゲーム主人公・正樹との対決でした。同じヒロインを愛する主人公同士として・親友として次元を超えた友情を築いていく展開が熱い。

因縁・敵対

落葉 沙夢「─異能─」→感想
あいつは俺を赤根凛空ではなく、友人のアカとして扱ってくれていた。その存在は俺にとって小さくなかった。
複数の人物の視点から事件が描かれる群像劇形式のサバイバル異能バトル。過酷な展開の中でうっすら語られる「主人公」の祐樹とその友人・赤根凛空の関係性が印象的でした。物語で起こった惨劇を考えるとお互いにさっぱりしすぎと感じる部分もあるんですが、描写が短くてもお互いにリスペクトしあっていたことが伝わるふたりの独白が良かったなあ。
水瀬葉月「ぼくと魔女式アポカリプス」
「宵本澪っていうクソッタレな友達は──どうやら、俺が思ってたよりも少しだけお人好しらしい。」
絶滅寸前の魔術種達が生き残りを掛けて行う生存競争に巻き込まれた「死者」達が繰り広げる異能系サバイバルバトル。『普通』に埋没したくなくて学園生活からはみ出していた主人公・澪と可愛いショタの皮をかぶった女に見境ないクズ・草太の友人関係が独特で面白かった。二人の出会い話がどっかに合ったと思うんだけど収録されてないんだよな……。
衣笠 彰梧「ようこそ実力至上主義の教室へ」→感想
ああ、それだ龍園。おまえにも見えたんだろう?恐怖という感情は、己の中に確かに存在する、ということを。
Dクラスの黒幕として暗躍する綾小路と黒幕の存在を追うCクラスのリーダー・龍園。1年生2学期をたっぷり使って水面下で行われる長いかくれんぼ、その末に待つ直接対決がとても良かった。この直接対決の後の微妙に共闘的な関係になっていく綾小路と龍園の関係性も美味しいけど、やっぱりとりあえずは原作4〜7巻をよろしくお願いします!!ってなりますね!
賀東 招二「フルメタル・パニック!」
「カシム、カシムと……。馴れ馴れしいんだ、クソ野郎」
主人公である相良宗介に強く執着する、序盤にして最悪の強敵ガウルン。自分が恋い焦がれてやまない「殺人聖者・カシム」に宗介を引き戻すために自身の命すらも厭わない様はめちゃくちゃなインパクトがありました。フルメタ、なんだかんだで彼以上にヤバい敵出てこなかった気がするの凄いよね……。
ツカサ「銃皇無尽のファフニール」→感想
切れ長の目が画面の向こうから俺を射る。それだけで感覚が引き戻される。彼の部下だった長く暗い日々へと。
男性で唯一ドラゴンの力を持った“D”の少年・物部悠。同じ異能を持つ少女達が集まる学園・ミッドガルに入学するが……ミッドガル入学する前、軍事組織ニブルでの元上司であるロキ少佐がミッドガルに入学した後も悠に対して強い執着を覗かせていく展開が大変美味しかったです。いやこれ、俗に言う「元彼」概念なんですよね……美味い……。
羊 太郎「ロクでなし魔術講師と追想日誌」→感想
「今は、曲がりなりにも母屋を同じくする同志だけど……いつか、必ず僕らは決別する。……互いの信じる正義ゆえに」
相棒概念の所でも取り上げたロクアカですが、どうしてもジャティスの話したかったなどと供述しており……アルベルトと同じく元特務分室での同僚であったジャティスが特務分室を離れて犯罪者となり、事ある毎にグレンと衝突していく本編での展開も大変美味しいのですが、そんなジャティスがグレンを初めて宿敵として認めた追想日誌5巻がとてもよかったです。あとほんと本編は次巻が楽しみ…!!
月夜涙「回復術士のやり直し 〜即死魔法とスキルコピーの超越ヒール〜」
変だな。一周目では、あいつに怯えて、逃げたい、怖いとばかり思っていたのに、二周目の今はあいつに会いたくて仕方ない。
人生をやり直しながら1周目の人生で自分を虐待した勇者達に復讐を行ってきた【癒】の勇者ケヤル。その復讐も残るは【砲】の勇者で少年性愛者ブレットを残すのみとなるが、その復讐は国を巻き込み人類の存亡を掛けた戦争へと発展していく。メインは凌辱メインのエッチな復讐劇なのですが、その合間でケヤルとブレッドが見せる互いへの執着と、裏の裏までを読み合う心理戦が大変良かったです。ブレットの行方を追う回が「想い人を探す」なのとか最高。


「好きラノ 2019年下期」投票します。

企画元:ラノベ人気投票『好きラノ』 - 2019年下期

ちょっと前に書いた2019年面白かったラノベと半分くらいタイトルかぶってますが!!!今回も参加させていただきます。2019年はここ数年来だと比較的ラノベを読んでいた年だったなと思うので、2020年も同じくらいは頑張っていきたいです。

Twitterからの投票も受け付けられてますのでお気に入りの作品があるかたは是非ご参加ください。

恵ノ島 すず「ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん disc2」→感想
【19下ラノベ投票/9784040730547】
各カップルの恋愛模様も可愛いかったけど、乙女ゲームと現実、2つの世界を繋いだ奇妙な縁に「ゲームクリア」と言う名の決着が描かれていくのが印象的でした。そして、最後のご褒美といわんばかりのエピローグが可愛いやら胸が熱いやら!
常盤くじら「エリスの聖杯」→感想
【19下ラノベ投票/9784815603816】
おとなしくて地味な令嬢と稀代の悪女と讃えられた令嬢の亡霊、ふたりがタッグをくんで事件に挑む、女ふたりの相棒もの。謎が謎を呼ぶ展開もさることながら、とにかく貴族社会の闇が深すぎて怖い。いろいろな意味で事件の真相が気になります。
九岡 望「地獄に祈れ。天に堕ちろ。」→感想
【19下ラノベ投票/9784049126662】
妹のために生き返った亡者と姉の死に囚われ続ける生者。相容れぬ男ふたりがタッグを組んで街を揺るがす事件に挑む、男ふたりの相棒もの。剣呑すぎる掛け合いと、文字の弾丸で彩られるド派手な戦闘シーンに圧倒されました。亡者の街を生きる個性豊かな面々のエゴのぶつけ合いも楽しかった!
小路 燦「異世界転生アンチテーゼ 転生魔王はチート転生者をチートで殺します」→感想
【19下ラノベ投票/9784041083734】
異世界転生して魔王になった主人公が、同じ異世界転生者達のその目的を論破し狩っていく。ただ主人公の愉悦のために身も蓋もなく消費されていく転生者達の姿が滑稽ですらあり、読んでいるこちらも仄暗い愉悦を感じさせられてしまう。いろいろな意味で他で読んだことのない読み口で、面白かった。
黒留 ハガネ「世界の闇と戦う秘密結社が無いから作った(半ギレ)2」→感想
【19下ラノベ投票/9784865545333】
超能力を得たけど非日常は得られなかった主人公がプロデュースする、非日常マッチポンプラノベ。超能力者、異世界人、CIAまで揃ってそれでも「非日常」だけは得ることが出来ないというのが色んな意味で日常さん強すぎであり、このラノベが2巻打ち切りなのまじで解せない(恨み節)
衣笠 彰梧「ようこそ実力至上主義の教室へ11.5」→感想
【19下ラノベ投票/9784040640075】
短編集の顔した「第一部完結編」。登場人物たちの1年間での成長や関係性の変化を余すことなく描きながら、2年生編への新たな布石をしっかりと仕込みを入れていく物語で最高に次巻への期待を持たせつつラストの挿絵に書き手のこころなさすぎで1000万点。いろいろな意味で真意のわからない綾小路の独白と彼自身の本音であるはずの地文すらも裏切っていく挿絵の容赦なさが印象的だった。
渡 航「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。14」→感想
【19下ラノベ投票/9784094517811】
2019年はやはりこの作品の完結抜きにしては語れないと思う。拗らせ続けた八幡がやっとのことでたどり着いた結末と、終わりと同時に始まりを感じさせるラストに胸が熱くなる。最終巻の前半までずっと迷走し続けてしまったのが実に「俺ガイル」だなあと。最高に楽しかったです。
永瀬 さらさ「悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました6」→感想
【19下ラノベ投票/9784041082683】
「悪役令嬢」という破滅の運命を乗り越えるため─愛する旦那さまとハッピーエンドを迎えるため奮闘する主人公のアイリーンと、彼女を救うために同じ土俵に上がるライバル・リリア様がめちゃくちゃにかっこいい。乙女ゲーム世界であることに拘った展開が楽しかった。
師走 トオル「ファイフステル・サーガ4 再臨の魔王と女神の巫女」→感想
【19下ラノベ投票/9784040732343】
政情から子供では居られなかったヘンリエッテと、そんな彼女を「仕事」で護衛する反面それでも子供として扱おうとするコルネリウスの関係がとても良かった。各主人公それぞれの立場や見えているものの違いも透けて見えて、次巻が楽しみすぎる物語でした(だから5巻お願いします…)